2020年前半、世界は、600万人以上もの人が新型コロナウィルスに感染する未曾有の事態となりました。日本の緊急事態宣言は解除されましたが、はたして収束に向かうのかどうか。焦らず油断せず、情報に目を凝らし注意深く過ごす、そんな日々が半年か、1年か、続くと覚悟しています。
感染された方はもちろんですが、たくさんの方が、いえ誰もが、何かしらの影響を受け、つらい体験をされていることでしょう。
冒頭のご挨拶に「お見舞い申し上げます」と書くと他人事のようで、言葉を探しましたが見つからず。
色々と考えている時に、世界各都市の様々な人々のコロナとの闘いを追うドキュメンタリーを観ました。
NHKスペシャル「世界同時ドキュメント 私たちの闘い」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/2N5MJ37W2P/
世界各地で20人以上に、2ヶ月間にわたりスマホの自撮り動画で、起きていることを記録してもらう。スマホを持つ手の指が写りこんでいる画面もそのままに、それを「同時ドキュメント」として編集、まとめた番組です。
不安と絶望の中から生まれる連帯と希望を、すぐ近くにいるような臨場感で見せてくれました。
「連帯」というのは、まさに「他人事」の反対です。他者に共感し、それぞれができるやり方で励まし助け合うこと。たとえ些細なことであっても、「連帯の行動」がウィルスの猛威を克服する希望につながる...間違いないです。時間がかかるとしても、です。
小さな子どもを遊ばせているご近所さんと、通りすがりに笑顔を交わすだけでも。
ブリーズノートの企画コンサートは、4月以降、7月までの予定をすべて延期としました。出前コンサートも中止となっています。新しい「ご注文」も当分なさそうです。
「出前コンサートのブリーズノート」をたちあげたのは、2011年12月、東日本大震災の年でした。
良質の音楽を、生で、暮らしのなかで、楽しみませんか、というのが基本のコンセプト。演奏家の顔が見える距離でアコースティックな音の体験、美味しいお茶やお酒があれば、話もはずもうというものです。
すぐれた演奏を聴いた時の感動は、わーっとその場をかけめぐり、知らない同士も顔を見合わせ拍手喝采。その瞬間、日々の憂さや悲しみは脇へ、たとえひと時でも楽しい時間は心に刻まれるでしょう。そんなコンサートをクラシックもポピュラーも、0歳にも100歳にも、ふだん出かける機会のない人たちにも、等しく届けたいと思いました。
距離の近さ、空気感、ライブ感こそが大切なことですから、ブリーズノートは今年の2月からずーっと非常事態。心おきなく、皆で音楽を楽しめる日が来るのを待ちながら、できることを考えています。
まずは一人一人、生きなくては。
生きてこその文化芸術、音楽です。
今を生きぬく術(すべ)を考え、これからの新しい形も模索しなくては。誰もが同じ思いを抱えていることは、ひしひしと伝わってきて、ある意味楽しみなことでもあるのです。
写真は40年前(!)のパリ、カルチエ・ラタンの裏通りで撮ったスナップです。
演奏していたミュージシャン達が国籍いろいろ、めちゃくちゃ上手い。
「これからドイツをまわる」と隣り町に行くような感じで言うのを聞いて、極東の島国から来てるもんだから、そうか陸続きなんだなー、と大いに感心したものです。
20代で、海外で暮らしたことは得難い体験でした。
子ども達が、若い人が、世界中自由に周れる時が1日も早く訪れますように。
移動も旅もままならない日々、心に羽をつけて数分間、花の都パリへ音楽の旅を。(「パリの空の下」ZAZ)
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